多賀町の民話 紙芝居集
 川下の村に通じる近道がありました。
その途中には・・・・・とても危険な崖っぷちを通らなくてはなりません。
日が暮れてから近道を通ろうとすると、
シャキッ、ジャキッ、シャッキとお米を研ぐ音が
何処からともなく聞こえてきました。
「誰かおるんか〜」
声をかけますと、
「誰もおらんよ〜」
と、女の人の声がしますが、姿はありません。
シャキッ、ジャキッ、シャッキ・・・・・・、
「誰の仕業か知ってるぞ〜」
「誰もおらんよ〜」
誰もおらんよ〜と言われるほど、気味悪いものはありません。
皆、引き返し、遠回りしましたので、
足を滑らせ怪我をしたり、谷に落ちることもありませんでした。
  お多賀杓子  
     
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はなしのはじめ  
 
 
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