殿
「なんてことじゃ―――。妻はどこにおるのじゃ、子はどこじゃ―――」
嫁
「あれ程お願いしたのに見てしまったのですね。私は霊仙に住む蛇なのです。本当の姿を見られてしまっては、もうこの城にいることはできません。」
殿
「わしが悪かった。どこへも行かないでおくれ。」
嫁
「いいえ、私は霊仙の池に帰らなければなりません。もし、どうしても困ったことがあれば、このくしを池へ投げ入れて下さい。」
蛇に姿を変えた嫁様は、霊仙にある池をめがけて登っていきました。